FlickrやGoogleの各種サービスなどなど、タダで使っているサービスなのに営利企業が運営している。いったいどのような仕組みでこれらのサービスは成り立っているのだろう。それが知りたくて、この『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』を読んでみることにしました。
日本放送出版協会
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本書は大きく
- フリーの成り立ちからその仕組みの解説
- 今後、フリーがどのように進んでいくのか
の二つの構成になっています。
フリーという概念がそのようにして生まれ進化してきたのか、どのような仕組みで成り立っているのか、歴史と形態を丁寧に整理しています。
そこで、アイデアは潤沢であり伝達のためのコストも不要。したがって、知的な部分が多く占めている商品・サービスは遅かれ早かれコモディティ化し、その価値は他へと移っていく。これは逆らえない流れであり、著者の言葉を借りると「重力には逆らえない」と。
次に今後のフリーの形態として中国やブラジルといったフリーワールドの例を出しています。
フリーの重力に逆らえないという考え方には同意できるものの、この重力が突き進んだとして形として中国やブラジルのようなフリーワールド、このようなフリーワールドに向かい合わないといけないという部分にはなかなか納得できませんでした。
似たような感覚がガンダムにあったなと、ふと頭に浮かびました。
シャア「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂をしばられている人々だ!」
シャア「結局、遅かれ早かれこんな悲しみだけが広がって、地球を押し潰すのだ。ならば人類は、自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して、贖罪しなければならん。アムロ……なんでこれがわからん……?」
アムロ「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!」
結局、まえがきでで著者が述べているように「まちがっている」と「自明のことだ」と分かれるテーマはいいテーマだということなのか。
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